Jazz Pizzicato(ジャズ・ピッツィカート)
<作曲> Leroy Anderson
<アレンジ構成>
トーンチャイム、ミュージックベル、ハンドベル 2オクターブ(25音、G4~G6)
<曲について>
Leroy Anderson(ルロイ・アンダーソン)が1938年に発表した曲です。この曲からルロイ・アンダーソンの作曲家としての活動が本格的に始まりました。弦楽器が「ピッツィカート」という弦をはじく奏法で、ジャズのリズムに乗って演奏する曲です。
この曲をトーンチャイム(ハンドベル、ミュージックベル)で、振動部分に指をあてる奏法を使って、表現しました。
単なるスタッカートではなく、指かけの響きを止めた音が、弦楽器のピッツィカートの音にぴったりだと思い、楽譜を作りました。
和音が揃いやすいように、同時に鳴らす音を極力少なく作っています。
<参考音源>
♪演奏のポイント♪
★楽譜上のTD(サム・ダンプ)やスタッカートは、楽器の振動する部分に指をあてた状態で、楽器を鳴らします。指で振動が止まっていますので、音程はありつつ、響きの残らない音が鳴ります。楽器にあてる指は、トーンチャイムでは人差し指、ミュージックベルでは親指があてやすいです。ハンドベルでは親指で響きが止めきれない場合は、プラックやマルテラートの奏法などで試してみてください。
★1拍目の裏と2拍目の裏、を強調するリズムです。「うん、タッ!、うん、タッ!」となり、「タッ!」が強調です。まずは、皆さんでメロディを歌いながら、「うん、タッ!、うん、タッ!」と手を叩いてみてください。
★演奏では、伴奏のパートがこの裏拍を表現します。手を叩いた時と同じように、1拍裏と2拍裏を強めに鳴らします。楽譜では >(アクセント記号)で表現しています。
★メロディのパートは特に強調をせずに演奏します。
★響きを止めた奏法では、ハーモニーの縦を揃えるのが難しなります。練習では、メトロノームに合わせて、ゆっくりなテンポから、まずは「縦を合わせる」ことに重点をおいてください。
★だんだん速くなりがちです。慣れるまではメトロノームを8分音符単位で鳴らして、タイミングの練習が有効だと思います。慣れてきたら4分音単位→2分音符単位、と大きな流れに変えましょう。デジタルのメトロノームでしたら、1拍裏と2拍裏が大きく鳴るように設定すると、裏拍が感じやすくなります。
★E5、F5あたりの音は、1小節の中でメロディと伴奏の役割が出てきます。難しいですが、音量を調整して役割の違いを表現してください。例えば、5小節目のE5は、1拍目は伴奏なので弱めに、2拍目はメロディなので強めに、と打ち分けてください。
★使用音が25音と多めですが、1、2回の音も多いので、ベル割りを工夫してみてください。
★15小節~20小節は、下から上がってくるメロディを強調しましょう。
★25小節~31小節は、リング奏法です。ボリューム感を出してください。RT(リングタッチ)は、ワゥ、ワゥ、という響きを出してください。
★手の空くメンバー方がいらっしゃれば、アクセント記号の音を手で体を叩いたり、タンバリンなどをテーブルに置いて軽く叩いて強調したりすると、よりリズム感がでますね。
★少し難易度の高い曲かと思いますが、裏拍のリズム、意外な響き、素敵なハーモニーと、楽しい曲にだと思います。
レパートリーの1曲に、いかがでしょうか!